あーあ。
あなたったら――
あーんなアホな日記書いて――。
本当にバカね?
「オニイチャン」とか「大好き」とか――
あぁっ、もう――
思い出しただけで恥ずか――んもうっ、
バカッ!!
私が下僕のことを好きになるわけがないでしょ?
今度あんなタワゴト書いたらホントに蹴飛ばしてやるからっ。
下僕は下僕らしく、妹たちの心配だけしてればいーの。
私の心配なんて100年早いんだから!
あなたがあんな風に書くから――
立夏にまで笑われたんだからね。
「氷柱ちゃん、ラブラブでまじヤバいー♥ でもリカしーらない!
きっと氷柱ちゃんも海晴お姉ちゃんに怒られるヨ~♥」
って――。
大きなお世話!
私は海晴姉様が少しくらい怒ったってちっとも怖くないし、
海晴姉様は私のこと――よくわかってるもん。
麗にするみたいに怒ったりしないわ。
麗は――
あの子はまだまだ子供だから――
わかってないことがたくさんあるのよ。
私たち姉妹のこととか、あなたが何で来たのか、とか――
そういうこと。
だいたいね――
私にああゆう日記を書いて、下僕にも日記を書かせたらって
こっそりそそのかしたのは――海晴姉様なんだからね!
意味わかる?
それもこれも――みーんな。
日記にも仲間入りしてあなたに
家族の一員になってもらいたいって――
“あなたの世界一かわいい海晴”お姉様からの
ありがたーい思し召しよ。
ふふん――♥
私が聞いてないとでも思ってたの?
あなたが海晴姉様に言ったアレ。
あんな大声で言ってたら、廊下まで丸聞こえよ?
あなたのこと信じ切ってるユキや――
春風姉様が知ったらなんて言うでしょうね?
ねぇ?
私の可愛い下僕??
うふふ――♥
ねぇ、とりあえず、何でも言うこと1つ聞く気になった?
うーん、そうだな……。
とりあえず、なんか――
アイスが食べたいな。
早く――外行って買ってきて。
いいわ、一口くらいならわけてあげる。