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名前: mizore
2008年3月 7日 (金)
無秩序

昨日は――大変だったな。

心配するな。
吹雪はただの風邪だ――

と言いたいところだが、たぶん違うな。

フフ。

本人も言っていたとおり、少し負荷がかかりすぎたんだろう。

最近、興奮気味だったからな、あの子も――。

フフフ――わかっているのか?
原因はきっとオマエだぞ?

変化する日常と、新たな刺激。

あの子の1番苦手な無秩序と混沌が――
きっと今あの子の心を支配している。

このまま行けば、
倒れるだけではすまないことも有るかもしれない。

常に熱量的死へと向かい続けるこの宇宙の申し子のように、
急激なエントロピーの増大が、
きっとあの子を塵へと還元してしまう――

思えば――

最初から不思議な雰囲気を持っている子だった。
人よりもかなり小さい姿で誕生して――
ちゃんとうまく育つのかと心配だったけれど、
弱い網膜の働きを補うかのようにその五感を発達させ、
高度な知力を発達させてきた。

いつもこの宇宙の果てを見ているかのような、賢い子供――

いつかはかならずこの宇宙の塵と化す私たち――

一時の快楽に身を任せてすべてを灰燼に帰するのもいい。
だが、もしオマエが吹雪をまだそばに置きたいなら。
オマエは――
しばらくあの子に近寄るときは少し注意した方がいいな。

あの子はどうやら――
オマエのことがよほど気になるらしいから。
考えるだけで、倒れてしまうくらいに――な。
こういうのを――初恋とでも言うのかな。

フフ――。
それともただの知恵熱か。

いや、大丈夫。
明日にはきっと復活するだろう。

しばらく、吹雪には触れるなよ?