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名前: mituki
2008年3月21日 (金)
春分

昨日は春分の日。
なかなか良い雨が降ったの。
春先の冷たい雨は好きじゃ。
身も心も引き締まるような気がする。

今日はたいそう風も強くて――
いつものことじゃが、季節の境目は――
なにやら空気が荒荒しくてな。

――楽しいものじゃ。

こんな日には雷でも鳴ってくれると嬉しいものじゃが。
雷神はどこへ行っておるのだろうの?
昼寝かの?

そういえば今日は――新しい袴じゃ。

昨日の雨ですっかり――濡れてしまったからの。
そちには袴の寝押しの――礼を言わねばならぬの。

わらわは――どうも不器用なのか、よく袴の裾を濡らしてしまう。
それを部屋につるして乾かすと
袴の折り目がすっかり消えてしまって――
いつも困っていたのじゃ。

わらわの布団ではどうも重しが足りぬようでな。
なかなか寝押しが効かぬのじゃ。

おまけに――わらわの部屋は
真璃姉じゃも虹子も青空も――
寝ていると、たいていわらわの布団にまで
入ってくるのものだから――
形も崩れてしまっての。

今日は――1日。
袴に――そちの部屋のにおいが染みついておったようじゃ。

そのせいか、なんとなくそちが近くにおるような気がする。

よき気配じゃ――。