page: post-82.html
名前: hikaru
2008年3月25日 (火)
桜の花

桜の花が――
開き始めたな。

また――
新しい季節が始まる。

咲き始めたばかりの
白っぽい小さな桜色の花が――

薄青い空の遠くに霞むように見えて――。

なぜか――

心がしんとする。

そして一緒に――。

この冬のいろいろな出来事が――
花になって空へと流されていくような気がする。

なぜか――

小さな花たちが散るのと一緒に、
私の中のたくさんの記憶と想いとが――

この空の向こうへと
広がっていくような――。
小さな小さな――五弁の花びらに乗って。

春は――出会いと別れの季節。
新しい――旅立ちの季節。

そして同時に自由になって、
昇華されてゆく――。

この私の気持ちも――。

優しい家族がいて。
温かな家庭があって――
日々するべき何事かがあって――。

それでもたまに見失ってしまう気がする。

――自分の居場所。

何もかも――満たされているはずなのに。
ふと不安になる――。

私はこれからどこに行こうとしているのだろう。

桜の季節には――

華やかさと寂しさとが同時にやってくる。

誰かの手に少しだけ――

すがりたくなる。