page: post-85.html 名前: mizore 2008年3月28日 (金) 夜桜 ![]() |
夜更けの桜というものは―― 宇宙の美を感じさせる。 ただこの宇宙に存在する唯一の真実の美。 崩壊の美を――。 今、 この空の天辺の遙かな高みから―― この小さな花びらになって舞い落ちているのは、 音もなく――舞い散るのは私たちの未来と運命。 ともに終末を迎えるはずの――。 静かに、 声もなく―― この宇宙のどこかで崩壊は始まっているのだ。 ああ、この快感――。 満開の美をただ一瞬だけ―― あとはただ―― どうしようもない寂寥感が私の体を満たし―― この花冷えの空気の中で、 そして達する。 逃れようもない絶頂へと――。 …… オマエも一緒に―― 明日は休日だ。 少しくらい――遅くなったっていいだろう。 あの快感を――オマエにも味わわせてやりたい。 そうだ、ありがたい姉心だ。 ほら、私の手を取るがいい。 これから一緒に―― |