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名前: hotaru
2008年4月 3日 (木)
お兄ちゃん

くすくす――♥

あの、お兄ちゃん――昨日は本当にお疲れ様でした!

マリちゃんや観月ちゃんや、にじちゃんや――
ちっちゃい子たちがいっぱい面倒をかけてしまって……。

でも――
ホタ、やっぱり――

やっぱり、私たちのお兄ちゃんって
すっごくいい人なんだなって――
そう思いました。

すっごくいい人で嬉しくて――
ホタ、ちょっぴり涙が出そうになっちゃったもの――

――えへ♥

蛍の考えた罠は――
フレディの色に合わせて選んだ古いピンクの薄い蚊帳。
お庭の木の間にテントみたいに大きく大きく。
子ゾウが入れるくらいにみんなで吊して――
えさのつもりで中に入れたのは
かわいいちっちゃいにじちゃんの腹巻き。
ホタが前に作ってあげたものなんです、
おなかにお月様のウサギの
お姫さまの小さなお人形がついていて、
にじちゃんとっても気に入ってくれて、
この冬はずいぶん――夜はあればかりつけてたっけ。

フレディがきっとニオイでわかるからって、
そのにじちゃんの宝物の腹巻きを
大きな蚊帳の真ん中にぽつんと入れて――。

ホタね、ここまですれば――
にじちゃんもきっと納得してくれるかなって思ったんです。
この罠があれば明日にはフレディがつかまってるって思って
安心して寝てくれるかなって。

でも――結局。
にじちゃんを優しく眠らせてくれたのはお兄ちゃんでしたね♥

ホタなんて全然役立たずです。
観月ちゃんやマリちゃんが一生懸命誘ってくれて、
すごく楽しそうにして見せてたのに、
泣いてるにじちゃんの耳には全然入らなかったみたいで――。

いつもおしゃまなにじちゃんが、泣いて泣いて――
もうどうかなっちゃうんじゃないかと
心配するくらいにしょんぼりしてたのを、
おひざに乗せていっぱいなでて――
寝かせてくれたのはお兄ちゃんでした♥

すごいの!
やっぱりお兄ちゃんは私たちの大切な最高の――

……

――ウフフフ♥

翌日、にじちゃんを喜ばそうとした観月ちゃんと一緒に、
にじちゃんが起きる前に罠を見に行って――
お兄ちゃんの方がホタの罠にはまってしまうとは
思いもしなかったけれど――

――くすくす♥

蚊帳の網に捕らえられてピンクにくるまれたお兄ちゃんは、
なんだか私たちだけの素敵な甘い宝物みたいに見えました。

あの騒ぎで起きてきたにじちゃんも、
目を丸くしてお兄ちゃんを見て大喜びしていたし、
大きなお姉ちゃんたちもみんな、すごく――楽しそうでしたね♥

お兄ちゃん、あれ、やっぱり――わざとしてくれたのでしょう?

氷柱ちゃんは「アイツはやっぱり筋金入りのマヌケね!」なんて
笑っていたけれど――ホタは思います。

お兄ちゃん、にじちゃんを――
みんなを元気にしてくれてありがとう。

やっぱりお兄ちゃんは私たちの真ん中で
私たち姉妹を照らしてくれるお日様みたいな人です♥

大丈夫です!
きっとフレディはちょっぴりすねて
裏山にこもっているだけだと思いますから。
にじちゃんといっしょに――
フレディの大好きなケーキを作ったら、
きっとそろ