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名前: mituki
2008年5月23日 (金)
おや?

おや?

……

ふむ。

そこな、おなごよ。

しばし、待たれよ――

そなたの身から――
なにやら不穏な気配がする――

ただ者ではないな、おぬし。

ん?

そのように伏せておらず、
顔を上げてみるがよい。

そのスカートにその制服――
わらわが姉じゃたちと同じ学校であろう?
髪はずいぶん短いようじゃが――
ヒカル姉じゃと全く同じ制服姿じゃ。

ああ――わらわは不審の者ではないぞ。

たまたま――
ヒカル姉じゃたちを迎えに出てきたのじゃ。
そろそろ学校から帰って来る時刻。
なんとなく――

今日はヒカル姉じゃと
わらわのたった1人の兄じゃが――
偶然一緒に帰ってくる――ような気がしての。

うむ、今日いい天気ゆえ、
また兄じゃと公園で遊ぼうかと――
家に帰ってしもうてからでは
他の姉妹たちと取り合いになるからの。

ふふふ――わらわは兄じゃと遊ぶのが好きなのじゃ!

あやつのオーラは心地が良くて――
一緒に遊ぶと元気が出る。

キュウビがそろそろ兄じゃの
近づいた気配を感じたというのでな。

ん??

そういえば、そなたもなにやらずいぶんと
気持ちのいいオーラを発しておるような――

まるで我らが眷属と同じような――

……

ほれ、何をそのようにモジモジとしておられる?

みればヒカル姉じゃと全く同じ制服姿というのに――
そちはヒカル姉じゃを知らぬはずはなかろう?

私は妹の観月と申す。

以後よろし――

――あ!
これ、待て! おなご!
待てと言うのが聞こえぬのか――

さては――おなごに化けた物の怪か?
確かになにやら毛深い様子――

待て待て待て――!!

逃げるとは卑怯なり――!