あついあついあついあついあつ―――いっ!!
もう、耐えられないわ、この暑さ!
いったい何事が起きたっていうの?
もう――フェルゼン、なんとかしてっ!!
まったく、夏って前からこんなに暑いものだったかしら――
もう信じられないわ。
去年はまだそんなに暑くなかった気がするんだけど――
気のせいかしら?
それとも――年のせい?
ああ、マリーはもうすっかりお姉さんになって、
夏の暑さがしみじみわかるようになってしまったのね♥
さくらや観月がなんだか
いつもよりもかわいらしく思えるわ――ああ。
オトナになるって――
イイコトばかりじゃないのね。
――あ。
そういえば――
ねぇ、わたくしの愛しいフェルゼンは――
暑くないの?
やっぱり――暑いわよ、ねぇ?
フェルゼンは本当はマリーより
ずっとずっとオトナなんだものね?
ま、たまに――とーってもお子ちゃまの時もあるけど♥
そんな時は――マリーがなでなでしてあげる!
……から、いいとして――
――うん。
こんな時は――やっぱり。
そう――なんたって“気晴らし”が大事よね?
ね、知ってる?
人生っていうのはね――
長~い時間をかけた、大いなる暇つぶしなのよ♥
タイクツよ、去れ!
何か楽しいことをするためだけ、
私の気分が良くなることをするためにだけ――
時間は存在しているの!
だから――
ね、フェルゼン。
今日は――みんなで一緒に水風呂しちゃいましょう!
大丈夫、恥ずかしいコトなんてちっともないわよ、
家族だけなんだし。
アヒルのぴよちゃんだってもちろん、連れていくし。
きっとみんな大喜びよ?
さっ、早くお風呂ために行きましょう――