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名前: tulala
2008年10月 3日 (金)
女の敵をヤッツケロ!

ふむふむ――
やっ!
ややややっ!!

ここだ!

ここを――
見てみたまえ、
ワトソン君。

このバスルーム南側の壁面にある腰高の小窓――
ほんの少し、1センチほどの隙間が空いている。
この小窓が事件発生現場だ。

おそらく――
被害者・蛍は驚愕のあまり――
きちんと窓を閉めずに逃げ出してしまったらしいな。
ふーむ、いかんいかん。

鍵も閉まってないし――
うん、これは私が閉めておかなきゃ!
シメシメ、と――

――ん?

何をぼんやりしているのかね?
私の下僕は――相変わらず
指示待ちの下僕グセがぬけないのだな?
せっかく下僕から助手に昇格するチャンスだったというのに。
そんな風にぼーっとしてたら、
せっかくの――せっかくの――

シャーロックホームズごっこがつまらないじゃないのぉっ!

……

バカ、そんな顔しないでよ!
ちょっと遊んでみただけでしょ?

わかってないわね――
こういう時はね、クールダウンして物事を少し客観的に見る必要があるのよ。
鍵はもともと開いてたのか、
のぞかれた当時窓の隙間はどの程度だったのか――

のぞかれた当のホタ姉様はひどく動転してたに違いないもの。
まずは事実を確認して、物事を整理して考えなくちゃ――ね。

想像もしたくないけど――
やっぱり犯人はこの近くに住んでるヘンタイかしら?
もう――ホタ姉様のあの清らかな体が――
そのへんのくだらないオトコ達にのぞかれるなんて、
そんなの絶対ありえないっ!!

それもよりによってユキのお誕生日に――
ユキが1年で1番幸せなはずの日に――

パーティーはもう終わってたからいいようなものの、
あの子は優しいから、みんなの心配ばっかりして
せっかくのお誕生日が台無しよ!

私――絶対に犯人を許さない!!
絶対に――この手で犯人を捕まえて、
もう2度とこの家に近づく気なんて起きないようにしてやるんだから!

ふふふ――♥
もちろん、そのための手は考えてあるわ。
そのために――
下僕――じゃなかった!
私のかわいいワトソン君を呼んだんじゃないの♥

いいこと――犯人は必ず現場に戻る。
昨日の今日だから、今夜は無いかも知れないけど、
絶対にまたやってくるわ!
そこに――罠を仕掛けて一気に捕獲よ!

でも――こんなこと妹たちに言ったら大騒ぎになって、
犯人に感づかれかねないし、
姉様達に言ったら危ないって絶対に止められるもの。

だから――このことはみんなには秘密よ。
今晩は誰にも内緒で2人で張り込みするの。
アナタと私だけで――絶対に捕まえてみせる!

大丈夫、アナタが寝そうになったら――
私がつねって起こしてあげるわ♥