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名前: ulala
2008年11月 7日 (金)
私の好きなもの。

私の好きなもの。

――それは、

雲のない晴れた夜の空、
夜空の色の学校の制服、
分岐器のある踏切、
鉄道の写真集、
この前もらった車掌の笛、
車止めの×マーク、
電車のドアの長丸の取っ手、
ソーダ味のグミ入りソフトキャンディに、
ステッドラーの製図用のシャーペン、
おうちで飲む抹茶ミルク、

そして最愛のコイビト105系――

……

知ってます。
ハツコイのあのヒトは、
今はもういないってこと。

……

もともと訓練車だったから――
私が乗れるはずもなかったし。
まだ西の方に行けば現役で動いてる
103系や105系もあるはずだし。

京浜東北線のE233系置き換えの
ニュースを聞いたときから予感はしてたの。
201系だって今や風前の灯火。

結局――。

いつかくることだって
分かってはいたんだし――。

……

でもやっぱりどうしても悲しくて――
あの日は、駅のホームから分岐器が見える
お気に入りの場所で――
日が暮れるまで分岐器が動くのを眺めていたわ。

知ってる?
分岐器ってね、
10分に1回くらいの間隔で――
レールが動くたびに。

チリチリチリチリ――

って。
金属のレールがコンクリートのマクラギをこするような――
小さくてかすかな――音が聞こえるの。

とてもかわいい――
心の落ち着く優しい音――。

ようやく――今は少しだけ。
こうして話をすることもできてきたけど――
やっぱりまだたまに悲しくなる。

昨日はあんなこと言ったけど――
やっぱり。
やっぱりあなたは――
そう簡単に――
私の前からはいなくならないわよね?

だって――
こんなに大嫌いなんだもの。

私、オトコなんて大嫌い。

でも家族だから――
仕方ないから――

いつか西に行くときは――
一緒に行ってあげてもいいわ――。