今度は氷柱がバレンタインを抜けるのか――
フフフ。

前に日記を抜けると宣言した麗に続いて――
今度は氷柱。

フフフ♥
ほぅら、やっぱり、
私が言ったとおり――
似ているだろう？

クスクス。

最近は家族のイベントもなかなか
動きが多くて楽しいな。
まるで大いなる宇宙を駆けめぐる
マターたちのようだ。
あちこちでぶつかり、
衝突を繰り返し――
この世界とエネルギーを
形作っている。

オマエもそう思うだろう。
私たち家族もまたこの宇宙の一部。
そして数限りない塵のひとつ――。

いや、氷柱のことは
心配しなくても大丈夫だ。

放っておいても――
蛍かユキが上手く泣き落とすだろう。

麗とはまた違った意味で
単――

……

まあ、いいか。

もちろんイベント事は仕切るタチだしな。
実際――
氷柱がいないと夕凪や立夏やマリーが暴走して
騒ぎになるときも多いんだ。

氷柱は怒りんぼだからな。
そういうところはエライやつなんだ、
まったく――。
盾になるのをいとわない、戦う女だ。

だからこそ――
きっと氷柱は、
敵前逃亡だって思われたくないだろう。
頭はすごく良いけれど、
家事とか裁縫があんまり――
得意じゃないからな、氷柱は。

いくら下僕がどうこうと言ってみたところで。

きれいにチョコレートを作るのが苦手で――
バレンタインを逃げ出したとは――
思われたくないんじゃないかな？

とくに小さい妹たちには――ね。

フフフ――♥