昨日は――
ごめんなさい。
なんだか興奮がおさまらなくて。
でも――不思議なことに、
あんなに短い日記を書いたのに、
海晴姉様はちっとも怒らなかったの。
なぜかしら?
いつもならひどく怒るところなのに――
なにかいいことでもあったのかしら?
それとも、さすがの海晴姉様も
鉄道博物館のあまりの素晴らしさに――
……
ま、いいわ。
それよりも――
そんなことよりも。
今日は書くこといっぱいあるんだもの。
だって――
だってだって!
とにかくステキだったんだもの!!
憧れの鉄道博物館――!!!!
神田にあった交通博物館もとてもステキだったけれど、
それよりもずっとずっとゴージャスで美しくて――。
あの四角くてかわいらしい
新交通システムの伊奈線に乗るところから、
もう胸が高鳴って仕方がなかったけれど。
駅を降りるなり目に入る車輪たちに
タイルになった時刻表――
プロムナードで迎えてくれる
D51のカットボディーを見たら、
もう胸の奥が痛くて、
息が苦しくなって――
……
そしてエントランスゾーンを抜けて一歩、
車両展示のあるヒストリーゾーンの中に入ると――
もうそこは別世界だったの。
照明を抑えたうす暗い館内に――
吹き抜けになってる高い天井の
一体感のある広い館内全体に――
黒々と。
ひんやり冷たい
鉄の匂いが
空間いっぱいに
満ち満ちていて――
今はもう1ミリも動くことのない
車両たちが音もなく――
完全に静止したまま――
ひっそりとその姿を
音もなく林立させて――
何かに圧倒されるような気持ちがして。
動けなくなったわ。
歴史の――
重みなのかな。
鉄道王国日本の――
歴史を作ってきた歴戦の勇士たち。
ああ、もう――
まぶたのウラが熱くなって、
感動して、胸が詰まって、
もうどうしようって――
そう思ったとき。
ポォ――――って。
突然。
耳をふさぐような激しさで――
大きな汽笛の音が響き渡ったの。
感じる大きな風と圧力。
あわててその方を見ると、
中央転車台の上にいるC57の姿が
ゆっくりと回転し始めていて――
転車ショーの開始時刻だったの。
そのC57のおかげで、私、
ようやく金縛りがとけたみたいになって――
あわてて転車台に駆けよって
もう、いっぱい写真を撮ったわ。
私、SLはそんなに特別大好きっていうワケじゃ
ないけど、やっぱり近くで見ると
本当に圧倒されるその雄姿――
ああ。
……
もうだめ。
なんだかもう、私――
今日はバカみたいなしゃべり方に
なっている気がする――。
その後もネックスを見ながら
食べたお弁当のこととか、
霙姉様が並んでくれたおかげで予約が取れて、
しかも運良くE231系高崎線が回ってきた感激の
ミニ列車運転のこととか、
本当に中まで真っ黒なお土産の石炭あられのこととか――
もう本当に書きたいことはいっぱいあるんだけれど。

もう長くなりすぎたからこの辺にしておくわ。
ただ、最後に――
書いておくね。
行ってみる前の1番のお目当ては――
好きなだけ101形に乗ること、だったんだけど。
結局――1番気に入ったのは
まつしまとひばりだったわ。
嬉しくて楽しくて――
2時間以上も乗ったり降りたりしてたと思う。
待っててくれたみんなに――
感謝。
あと――ここにに行かせてくれたことにも。
それから特に――氷柱姉様に。
それと――あなたにも。
――あ、
……
ありがと。
きっとあのまま私のせいで遊園地行きが
ダメになってたら、
こんな風に――鉄道博物館に来ることは
なかったかもしれないものね。
着ぐるみ遊園地はがんばって我慢する。
今度行ったら――
図録買ってもらえるかな――