どうしましょう、
お兄ちゃん――
まさか、あんなことに
なるなんて――
ちっとも――
思ってなくて……。
蛍ってバカですね。
ほんと。
葵ちゃんが――
あ、蛍のクラスメイト
なんですけど、
葵ちゃんが、
ヒカルちゃんのファンだってコトは
ホタもよく知ってたんです。
よく、好物は何かとか、
好きな色とか、パンツの柄とか――
いろんなこと聞かれましたし。
「ヒカルお姉さま~♥ ♥ ♥」とか
よく陽気に叫んでいて――
見てても軽い憧れって言うか、
いかにもファンって感じで、
別に全然、隠してる風じゃなかったし、
そういう人って他にもいるし――。
ええ、昔からよくあったんですこういうことって。
ヒカルちゃんかっこいいですもんね♥
だから――体操着を忘れちゃって
誰かに借りれないかなって聞かれたときも、
軽い気持ちで「そしたらヒカルちゃんに――」って、
ホタが言っちゃったんです。
だってその日は中等部全校合同体育集会で――
立夏ちゃんや氷柱ちゃんには頼めなかったし、
葵ちゃんは背が高いし――
男前に貸してくれた
ヒカルちゃんの体操着を着て
さらに盛り上がっちゃったらしくて――
……
来週、貸してもらったお礼に
デートしてお食事をごちそうしたいって
聞かないんです。
それで――
それで――
……
あの、
「もしかしたら、お姉さまに
告白しちゃうかも♥」
って――
お兄ちゃん、どうしましょう――
ヒカルちゃん、きっと行くと思います。
義理堅い性格だから――
お兄ちゃん――
ホタのせいでヒカルちゃんが――
何か変なコトになっちゃったら――