もう――
いやん♥
……
いやんいやんいやんっ♥ ♥ ♥
春風――照れちゃう♥
にじちゃんまであんな風に――
春風を祝福してくれるなんてっ。
春風、身体を張って!
ヒカルちゃんを守ったかいがありました♥
あとからね、蛍ちゃんに言われちゃった!
「あの時、飛び出していった
春風ちゃんの勢いがあんまりすごかったから、
私もお兄ちゃんもあっけにとられて――
後ろで見てるしかなかったよ」
って――。
春風恥ずかしい――♥
でも、仕方なかったんです。
あの子が――「思い出の記念にキスを」なんて
ヒカルちゃんが断りにくいようなコトを
言ってあんな風に迫るなんて――。
壁に押しつけられたヒカルちゃんの身体――
焦って動けなくなってるヒカルちゃんの顔――
そして、余裕ありげに迫っていくあの子のクチビル――
あああああっ――
もう――今思い出しても、
身体が震えてきます!!
ヒカルちゃんの――
ヒカルちゃんの――
優しいキッスは、雷におびえてたずっと昔から――
同じ部屋に寝てる春風だけのモノって、
決まってるんですから――!!!!
あの子をどーんって押しのけて
ヒカルちゃんに向き合ったあの時、
ヒカルちゃん少し困って――
でも安心したような顔してました。
だって――春風となら
キスなんて――何度も
したことありますもの――フフ♥
……
あ、でも安心してくださいね、
私の――たった1人の王子様♥
初めてのキスは――ヒカルちゃんとでしたけど。
でもそれは――この前の金曜日よりももっとずっと前、
実は子供の頃にすんじゃっていて――♥
だって、家族ですし――女同士ですもの。
そんなの――数には入らないですよね?
にじちゃんやあーちゃんとだってチューするし♥
だから――。
ね、王子様――
春風思ったんです。
初めての男性との本物のキスが。
今まさに奪われようとしてる姫のところに駆けつけた
王子様の横取りキッスだったら――
なんてロマンティックなのかしら!!
フフ♥
春風は――いつでも。
待ってます♥
本物のキス。
もし春風の身にも危険が迫ったら、
王子様はあんな風に駆けつけて
きてくれるのかしら――