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名前: mari
2009年6月 2日 (火)
マドレーヌ

今日のオヤツは――
カリッといい匂い。
金色に焼けたピッカピカの――
マドレーヌ。

あーあ。
どうせ、マドレーヌを作るのなら――
材料はほとんど変わらないんだし、
マリーの好きなクグロフにしてくれたって
良かったのに。

――と、思ったけど。

でも。
マリーはそんなこと、
言わない、
――の。

だって――
作ってくれた人に悪いじゃない?

ええ、そうよ♥
およそ――人の上に立つモノは。
どちらでもいいようなことで、
人を責めてはいけないのです――って。

この前、園長先生がマリーにだけ
特別に教えてくれたんだもの♥

クグロフだってマドレーヌだって
春風お姉ちゃまや蛍お姉ちゃまが作ってくれた
おいしいオヤツには違いがないんだし――

ウフフッ♥

マリーってば、レディでしょう?

オヤツを見ながら思い出したの。
そういえば、マドレーヌのご本にも――

「いつもおぎょうぎよくいるために」
世界中の女の子にとって大切な、
いろんなことが書いてあったなって。

あれはマリーの大好きな本よ。

女王陛下にお茶に招かれたときの正しい挨拶の仕方、とか。
だれかをいじめるのなんてほんとにかっこわるくて、
ぜんぜんおもしろくなくて、ザンコクなこと、とか。

いろんな正しい決まりが書いてあるの。
幼稚園では教えてもらえないような、
本当のフランスの貴婦人になるための決まりが、ね。

そう。あとは、どんなおくりものだって、
それがたとえあんまりほしくなかったものでも、
すでに七つも持っているモノでも、
必ずお礼を言うこと、とか――。

マリーはこれからどんどん大きくなって――
世界一正しいレディ・マリーになるの♥

フェルゼンも、もちろん――
気高い女性が好きでしょう?

フフフ――よくてよ、
楽しみにしていて♥

マリーの世界一気高い魂は、
永遠に私のフェルゼンのものなんだから――