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名前: mizore
2009年6月17日 (水)
一滴

半端に濡れるのは嫌いだ。

手を洗うのも、
食器を洗うのも、
釣りをするのも――

だから。

いつ雨が降るかわからない
こんな季節も――好きじゃない。

しとしとと降る雨が、
ぽつぽつと。
いかにも散漫に――
肩先や足先、傘を掲げる腕に
かかったりして。

身体のあちこちが
こんなふうに半端に
じわじわとうろんに――
湿っていくくらいなら。

いっそ――
バケツの水をかぶるように。
ざぶりと、ズブ濡れに
なってしまえばいいのに――
と思う。

そう、昨日の夜の豪雨のように。
頭の天辺からぐっしょり濡れて、
もうこれ以上濡れようがないという
くらいに――。

すべては――有か無か。

全宇宙の存在はそこに集約されるのだ。

雨は降るか降らないか。
身体は濡れるか濡れないか。

これは私の主義なのだから――

皆、心配などしなくてもよい。

昨日はたまたま――
その気が高じて。
ずぶ濡れになりたかっただけだ。

オマエにも――あるだろう?
そんな衝動が。

……

――くしゅん。

フフフ。

心配するな。
週末から実力テストなのだが、
風邪を引いてしまったら、もちろん――

私は大事を取って休む。

悪化させて皆に移しては困るしな。

私は無理はしない主義だ――