降ったり止んだり
降ったり止んだり。

本当に――

意気地のないお天気ね！
やんなっちゃう。

マリーはこういうはっきりしない
お天気は嫌いなの!!

晴れなら真っ青な晴れ！
雨なら土砂降りのざーざー雨って
いう方が――
マリーの好みに合ってるのに。

これじゃあ、今年
ねだりにねだって
買ってもらった
お気に入りのサンダルだって、
おしゃれなハート柄の長靴だって
どっちも思い切って履けないじゃない！

もう。
雨雲のバカ。
バカバカバカ！

はっきりしない
フニャフニャ男め！

ねぇ、フェルゼン――
マリーのために、明日は
この空をまっ青に晴れた
夏の空にしてくれない？

愛するマリーのためだもの、
そのくらい当たり前にできるわよね？

明日こそは絶対絶対――
今年はやりのエナメル素材の
サンダルが履きたいんだもーんっ！

いいこと、
教えて上げる♥

あのね、
愛の深さは――
どれだけ自分を犠牲にできるかに
かかっているのよ？

少なくとも――
マリーはそれで
計るの。

ウフフ♥

フェルゼンが命をかけて
青空を連れてきてくれたら――

新しいサンダルを履いたマリーの足が
地面を踏む前に――
そっとキスさせてあげてもよくってよ？