にわかに
涼しい風が
吹き始めて――
まるで。
夏の終わりを
言祝ぐかのように、
明日から。
3日間の――
祭りが始まる。
その名は――
町内会
子供祭り。
祭りは――
好きだ。
遠くから聞こえてくる
盆踊りの地を這うような
くぐもった太鼓のリズム。
今年もこれで着納めになるだろう
浴衣に袖を通して――
あの単調な踊りを
まるで、よせては返す
波のように――
止むことなく、
いつまでもいつまでも。
始まりも終わりもない
あの揺らぎの輪の中に
ただたゆたうように
身をゆだねて
踊っているのは――
なかなか楽しく、
快いものだ。
まさにこの夏の終末を
飾るのにふさわしい――
終わりと輪廻とが混在した、
早くも秋色の夜空に明るく映る
濃密な日本の祭りの――
快い混沌。
オマエも――
今年は踊ってみるか?
フフ――私が教えて
やってもいいぞ?
きっと予想外の快感が――
オマエを襲うだろう。
そして週末の祭りが終われば
31日の月曜日からは――ついに。
いつもより1日早い新学期だ。
もちろん――
立夏だって、そのくらいは
知っているだろう。
わざわざ言う必要はないと思うぞ?