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名前: tulala
2009年10月30日 (金)
自分が嫌い。

ごめんなさい。

こんなつもりじゃなかったの――
まさか帰ってきたらユキがあんなことに
なってるなんて――

……

なんて、今さら言っても
白々しい、だけよね。

うん。
そんなこと――

自分が1番よくわかってる。
言い訳なんてできないわ。

私って――

……

結局いつも。

なんだかタイミングの悪い女なの。

ユキのためにって思ったことだって
いつも空回りして――
みんなに迷惑をかけて――

……

バカみたい。

ユキのこと、こんな風に
寂しがらせるつもりなんて
もちろんなかったし、
そんなことはたぶんユキだって――
わかってくれてる。

優しくて、頭のいい子だから。

でも、だからこそ――。

あんな体に生まれついてしまって、
誰よりも他人や世間を恨んだっていいはずなのに
そんなことこれっぽっちも考えないで、
自分のことよりも人のことばっかり考えてるユキ。

誰よりも辛い運命を背負っているのに
誰よりも優しくて清らかな心を持ってるユキを――
いくら海晴姉様がキョウダイ平等って言ったって。
私ぐらいは思いっきりえこひいきして、
誰よりも大切にしてあげたいって
そう思っているのに。

なんでこう――
上手くいかないんだろう。

ユキは私みたいに短気でわがままで
おまけにタイミングの悪い女なんかより、
ずっとずっと――
この世にいるべき子。

そんなユキにこんな心配かけちゃうなんて
いくらユキのためだったとはいえ――
私の方こそこの世から消えてしまえばいいのに。

でも、いくら私がそう思ったって。
大事な大事な私の妹はいつも――
目を離すとすぐに空に消えてしまいそうな
小さくて儚い星の光みたいで――

……

正直に言うわ。

ごめん――と、ありがとう。

私のユキを守ってくれて。
おかげでユキはたいしたことなくてすんだみたい。

私、ユキはもう――
アナタの方がもう好きなんだと思ってたの。
だから私、もう私なんてって――

……

やだ。
なんか目から水が――

ぐすっ。

もうやだ――

こっち見ないで。

……

そのまま後ろ向いててよ。

……

背中――借りるわ。

ああ――
もう、私――
私――

……

もう少しだけでいいから
このままこうして――
あなたの背中で
私の涙を隠していて――