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名前: hubuki
2009年11月10日 (火)
ヴァージニア

幼稚園が閉園になったりして、
世間がすっかり――
新型インフルエンザのことで
騒がしかったせいで――。

すっかり――家を
出られなくなっていたユキが、
今日の午後、久しぶりに――
外出することになりました。

引率は――氷柱姉と立夏姉、
それに麗姉と小雨姉です。

だから、私も――

気がつけば私も――
最近、暗号解読の本に
すっかり夢中になっていたせいで、
個人的な外出はずいぶん――
していないことに気づいたので、
ユキと一緒に行くことにしました。

最近気に入っている金色の
小さな三角形のクリップが――
もう残り少なくなっているから
買い足さなくてはならないし。

そう思って――街に出ると。

駅の近くのショッピングモールを
目にしたとたんに――

ユキが声を上げました。

「わぁ――もう、すっかりクリスマスだ!」

そう、街は早くも――
ツリーやリースやトナカイだらけだったのです。
白い綿でできた消えない雪に、
プラスチックでできた赤い木の実、
丸い顔の天使に金と銀の星――

もうすっかりクリスマス風の
飾り付けになっていて――。

いくらなんでも早くないでしょうか?

まだ11月の前半。
七五三もまだなのに――と
そう、私も驚きましたが――
しかし。

そう言ったユキの笑顔が
とても嬉しそうで、
それを見ている姉たちもみな
とても幸せそうで、
だから――

私はヴァージニアと
アメリカの新聞社の話を思い出して――
何も言わないことにしました。

はい、私も同意します。
サンタクロースはいるのです。

そして家に帰ってからみんなで
サンタクロースに手紙を書くことになって。

私は――

……

そういうことはあまり好きではないのですが。

本当に返事が来るという
フィンランドの宛先については読んだことがあるので。

我が家の平和を――今年も願います。

今、キミがここにいることの平和を――