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名前: mizore
2009年12月15日 (火)
祈念

誰も――
読む当てのない日記を。

こうして――
書いている。

まあ、本来。

日記などと言うものは――
誰に宛てるわけでもなく、
ただ、その時々の自分の気持ちを
書きつづるものであるのだから――

これで本来の形に戻った、
ということも
できるのかも知れないが。

やはり――。

なんだか気が抜けるものだな。

そもそも――オマエが
我が家に現れなければ、
こうして――
交換日記などという
まったく夢見がちなものを書くことも
なかったわけなのだから。

今頃――オマエは夢の中だろうか?

麗由来の――
それとも、
氷柱由来の――?

高熱にうなされて。

とびきりの悪夢を
見ているのだろうか?

それとも――
この広大無辺な深遠なる
宇宙の塵と成り果てて――

虚空を漂う素晴らしく良い夢を
見ているのか――

フフ♥

もしそうだとしたら、
私も――
オマエの隣に横たわって、
オマエの病を――
うつしてもらうのも
いいかもしれない。

先刻、チラリと――
部屋を覗いてみたら、

麗と氷柱との間に
挟まれて――

オマエはバラ色の頬で
眠りに落ちていた。

かすかにくちびるを開けて、
額には小さな汗の粒――

悪夢に襲われているのか
夢魔に落ちているのかは――
わからなかったが。

なんだか少し羨ましいような――

……

フフフフフ。

私の可愛い妹と弟たち。

共に――
良い夢を。

快癒を願う皆の気持ちが
オマエたちに届くように――。