クスリは全部――飲み終わったし。
隔離生活も――これでおしまい。
ようやく――日常に戻ってきたわ。
だから――
あそこであった出来事は――
……
もうすっかり忘れたわ。
きっと――インフルエンザの高熱が見せた――
悪い夢よ。
下僕とあんな――
まさか、この私が――
病気の時は誰だって少しは心細くなるものだし。
あんな――あんな夢を見たからってそれはきっと私のせいじゃないわ――
下僕もきっともう忘れてるに決まってる。
もちろん――そう、よね?
下僕はあの時1番熱が高かったんだし。
もし覚えてたら――許さない。
処分してやるから。