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名前: mituki
2010年3月 9日 (火)
白い雨

ボタリボタリと――
音を立てて。

今日は――

白く濁った――

まるで、ボタ雪かと
見まごうような――
大粒の雨の降る1日であった。

しかし、しんしんと体を冷やす
水の粒に濡れて――

この身に感じる寒さは
まだ真冬のようなのに

この冷たい玻璃のような
水の粒が――

雪になりかけながら、
天より落ちて――
地に触れたとたんに
たちまちただの雨になる。

やはり、もう――

季節は春を告げて
おるのじゃな。

うむ。
自然とはよくしたもの。

どんなに――冬の寒さが
逆戻りしたように見えても。

こうして確かで密やかな
春の知らせをわれらに
もたらしてくれる。

この世の全てが――

日1日と――
うららかな春の陽射しに
近づいていることを――。

どうじゃ?

兄じゃの体も――

もう春を告げておるか?

わらわはけっこう――

春気分じゃ♥

この寒い空にも
早咲きの庭のさくらは
もう咲いておるし♥

冷蔵庫のカルピスはおいしいし♥ ♥

フフフフフ――♥

楽しいと思ったら、
なにやら、物の怪遊びが
したくなってきたのう――

どうじゃ?

兄じゃはなにか
わらわを驚かすような、
小さき物の怪など――
隠し持ってはおらぬか?

この雨、もしや夜半には冷え込んで、
名残の雪の最後の雪となるやも知れぬ。

それならば――よし。
兄じゃと楽しく季節外れの
春の雪見と参ろう。
雪見のサカナは
わらわのキュウビと兄じゃの物の怪とで、
スモウじゃ、スモウ――♥