大きいつづらと
小さいつづら。

お兄ちゃんだったら――
どっちをとる？

夕凪だったら――
絶対絶対絶対絶対!!!!!!

――えへっ♥

大きいつづら！

だって――やっぱそうでしょ？

そりゃあ夕凪だって、
もちろん――
舌切り雀のお話くらい
しってるけど――さ。

ちっちゃい頃、
よく霙お姉ちゃんが――
読んでくれたし。

だから昨日、
夕凪もマネして――
読んであげてたんだ！

おやつのあと――
さくらちゃんに。

「チュンチュンチュン♪
では、よいことをしたおじいさん！
おみやげにこのつづらを
差し上げましょう――
大きいつづらと小さいつづらの
どちらがいいですか？」

ね――やっぱり、
そんなこと言われたら、
そりゃもう大きいつづらしか、
選ぶのないでしょー！

夕凪、何度読んでも、
思うんだ～！

今度こそ、なんかとびきり
でっかい大きなイイものが
入ってるのかも知れないって――

だから、大きいつづらを選んだら――

……

さくらちゃん、泣いちゃった……

うわ――ん！

氷柱お姉ちゃんに怒られたよ～！
妹を泣かせるなって――でも、
夕凪だって、そんなつもりだったんじゃないのに！

だって霙お姉ちゃんも前から、
そうするって言ってたし。

ね、ねねねねね。

お兄ちゃんだったら、どうする？
どっちを選ぶ？

だって――大きいつづらには、
もしかしたら――

マホウのプリンセス・ユーナが
入ってるのかもしれないんだよぉ～!♥?♪