雨の日は――

……

嫌い。

濡れるし。

ジメジメしてるし。

余分な荷物が増えるし。

お姉ちゃんからもらった
かわいいレインコートも、
流行のレインブーツも――

好きじゃない。

雨の日には――

なんだかしらないけど、
そこらじゅう――

この世の中の
ありとあらゆる物が
じとっと湿って――

私の手や髪を――
中途半端に
濡らしてゆくの。

こうして雨を逃れて
やっと帰ってきた
部屋の中まで湿っぽいわ。

これじゃあ、
お気に入りの古い
プラレールのゴムが
変形しそう――

大嫌いな雨。

今日も――
そんな雨の日ね。

まるでこの夏中、
もうたくさん！
っていうくらいに、
働き続けた太陽が――

長めの休暇を
取るみたいに、
秋がきたとなった
とたんに――

毎日ぐずついた
陰気な雨の日。

こんな日には――

電車のダイヤも
乱れるし。

おまけに――
知ってる？

雨の日の鉄道は
より効率重視になるせいで――
乗車人数の少ない
古い車両の出番が
全く無くなるのよ。

私の好きな、
3000系や5000系は
きっと今日は車両基地で
お留守番。

まったく――最悪な
陰気な秋の雨だわ。