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名前: tulala
2010年10月25日 (月)
寝冷えと腹巻き

腹巻き――
なんて。

冗談じゃないわ。

そんなもの――
するわけないじゃない。

いくら蛍ちゃんが――

「女の子はおなかと腰を
冷やしちゃいけないのよ♥」

とか。

「腹巻きをすると
太りにくくなるのよ♥」

とか、なんとか――

まるでどこかのしわくちゃな
おばあちゃんみたいな
寝言を言ったからって。

私は関係ない。

腹巻きなんかしたら――

あつくてしかたないし、
スカートが入らなくなるし、
蛍ちゃんのすすめる腹巻きは
ピンクのリボン付きで趣味悪いし、
とにかく――

……

かっこわるいじゃない。

まるで赤ん坊みたいよ。

もし、この私が――

腹巻きなんてどんくさいもの
してるって世間に知れたら――

笑いものになるに決まってるわ。

だから――

どんなに言われても腹巻きはしない。

だいたい、蛍ちゃんはああ見えて
意外と――策略家だから。

今朝、私が毛布をはねのけて
おなか丸出しで寝てた――

なんて。

きっと私に腹巻きをさせるための
ウソに決まってる――

あ、下僕も気をつけた方がいいわよ?
蛍ちゃんの言うこと全部信じてると、
梅干しをこめかみに貼ると頭痛が治るとか、
ときどきとんでもない目に遭わされ――

れ――

……

っくしゅん!

……

……

ふ、ふん。

今のはもちろん――

くしゃみなんかじゃないわよ?

ただの――

……

呼吸よ!!

あーあ、最近力が余っちゃって
困るったら!

仕方がないから、今日は
下僕をいじめて遊ぼうかな――

な――っくしゅん!!!!