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名前: mizore
2010年10月29日 (金)
不満

海晴姉が――

菓子袋を1つもくれない。

なんと――

心の狭いことだろうか。

あんなにたくさん作ったのに。

私だって――

苦手な蝶結びをがんばって、
あんな興味もない下品な
オレンジ色のハロウィンの
飾りのついたお菓子袋作りを――

夜なべまでして協力したのに。

……

本当に――
まったく。

大人げがない!

まさに――

この宇宙を漂う、
なんの価値もない
宇宙の塵のごとき――

小さな心だ。
海晴姉の締まり屋ときたら。

考えてみれば――
小さい頃からそうなんだ。

たった1歳しか違わないっていうのに
いつもおやつの管理は海晴姉がしていて――

いつもきっちり――
等分のわけまえしか
よこさなかった。

半端が残れば明日の分。

いつもこっそり手を伸ばす――
私の手をパチンと叩いていたのを思い出す。

それにしても――ああ。

秋の夜長の勉強時間に――
あの菓子袋が1つあれば、
ちょっと甘いモノを
ひとかじりして――

どんなにか退屈が
慰められることだろうに。

――ふん。

まあ、とはいえ、
どうせ――

あの菓子袋の中には、
飴やらチョコやらガムばかり
入っていて――

最中や羊羹やまんじゅうは
1つも入っていないのだから――

まあいいか。

この週末、チビ達は
ハロウィンパレードに行くらしい。

ハロウィンも――最近はすっかり
メジャーなイベントになったものだ。

オマエも――せいぜい
カボチャマスクでもかぶって
気分を満喫するんだな。

私は――

甘納豆でも食べながら、
その様子を見ていよう――

 

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