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名前: mizore
2011年1月13日 (木)
不発

結局、雪は――

降らなかったな。

少しは――
期待していたのに。

なにしろ、
「マホウツカイの本当の子孫」の――
言うことだからな。

万一と言うことがある。

それなのに夕凪は――

あの後誰かに間違いを
指摘された様で、

結局今朝になって、
やっぱり雪が
降らなくて良かった、
これであの91点が、
たまたまのマグレ当たり
なんかじゃなかったことが
証明された、

これはきっと夕凪が本当に
頭が良くなったと言うことだーっ☆!♥

とかなんとか――
大騒ぎしていたけれど。

嘘は――

よくないな。

嘘は。

きっと心の中では、
91点を取った自分が
あまりにビックリで、
雪が降るに違いないと
思ったくせに。

やはり女子たる者、
間違ったときには
潔く誠実に――
間違いを認めなければ、な。

ああ――でも、もちろん
夕凪ばかりを責めることはできない。

同時に私も――
思ったのだ。

夕凪の予感はまさにその通り。
この宇宙の法則の下に――
夕凪がテストでいい点を取る
などという珍奇なことがおこれば
きっと明日は雪くらいかるく
降るだろう、と――。

だから今日は――

つい。

学校を休んでしまった。

だって絶対に降ると思ったんだ。

……

おまけに――
海晴姉との賭にも負けだ。

はぁ…

最後にとって置いた
お正月のどら焼き――

さよならだ……