やっと――

海晴お姉ちゃんを追い出すことに
成功しましたね！

ウフフッ――♥

春風の――勝利です♥ ♥ ♥

これで――世界で１番
王子様を愛してるのは――

やっぱり春風だってこと、
私の王子様にも――

わかってもらえたと
思うんですけど――♥

いかがですか？

――きゅんっ♥ ♥

あ、あの――

もうちょっと、近くによっても――

いいですか？

このベッド――

なんだか、すこし
狭いみたいで――

ウフ♥

きゅんっつ♥ ♥ ♥ ♥

やだ、どうしよぅ――

春風、なんだかさっきから
心臓のドキドキが止まらなくて――

少し胸が痛くなってきたみたい――

ね。

ほら――

王子様も触ってみて。

こんなに――ドキドキ♥

……

あ♥

そこ、もっと強く――

……

―――きゅうううううんっ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥

……

あの、こんな風に改まって言うのって

ちょっぴり変みたいですけど――

……

やっぱり今夜はバレンタインの
特別な夜だから言います。

私、春風は――あなたのことが。
王子様のことが――

死ぬほど好きです♥

あなたと結ばれたら――
もうどうなってもいいの。

だからお願い♥

今夜こそ――

今夜こそ――

春風をあなたのものにしてください♥

春風――

もう待てないの――

 

世界で１番大好きな私の王子様――

今夜、春風は世界で１番幸せな夢を
見ることができました――

し・あ・わ・せ♥

夢見心地のハッピーファミリー・バレンタイン♥

ベッドのおふとんをめくったら――
なかに、にじちゃんがいたのには
ビックリしたけど――

お兄ちゃんを待ちくたびれて――
すっかり眠ってしまった
にじちゃんのお顔はとてもかわいらしくて――

３人で川の字で眠るのも楽しかったな。

春風は思わず――
私達にもし娘が生まれたら、
きっとこんな風かしらって――
想像してしまいました。

――きゅん♥

いつか春風に本物のベイビーを
あなたがくれるって信じています♥ ♥ ♥

すっごい大雪！

昨日の夜から――

ひらひら――
ふわふわ。

パサリ、ふわりと――

今年初めての大きな
ぼた雪が降って。

私達の住むこの街も
すっかり雪が積もって
朝、目をを覚ましたら――

おうちのお庭も真っ白！
一面にこんもりまっしろの

雪、雪、雪――。

まるで――

真っ白なクリームを
たーっぷりかけた
ケーキのようだったわ。

とってもキレイで――

マリーはウットリしちゃった♥

そう、マリーはなんでも
儚くて繊細な美しいものが
大好きなのよ♥

触れればすぐにとけてしまう
この儚い真っ白な都会の雪、とか――

ひとくち食べたら
たちまち失われてしまう
カンペキに美しいクグロフの形、
とか――

この世のシガラミと
ジョウシキに邪魔されて――
それでも燃え上がる、
マリーとフェルゼンの愛、とか――

ね♥

ウフフッ――♥ ♥

そうだ、昨日の夜から
たくさん降ったこの雪は――

もしかしたら、バレンタインデーに
マリー達がたーくさんたーくさん
溢れさせた愛の結晶なのかも――
しれないわね♥

ああ、なんて美しいのかしら――

この降り積もった雪のように、
真っ白にこの世の何もかもを
覆い尽くすほどの純白の汚れない――

私達の愛!!

――と、思ったら。

あーあ。

もう青空がお庭に出ていって――

……

たちまちお庭は踏み荒らされて、
ぐっちゃぐちゃ！

ふぅ――

……

仕方ないわ。

こうなったら――

マリーも――

さっそく雪合戦に参戦して大暴れよ!!

もちろんフェルゼンはマリーチームよ？

ちゃーんとあなたの女王様をお守りできたら――
マリーがごほうびをあげますからね♥ ♥