page: post-880.html 名前: hikaru 2011年2月24日 (木) 思春期 ![]() |
灰色の空から―― しとしと、と。 ひっそり音も立てずに―― 降っているのか やる気のない雨。 傘をさす気にも 両手をポケットに トボトボ歩いていると、 その雨粒の意外な冷たさが―― 私の視線を空へと誘う。 曇った薄灰色の空。 他にすることもない 道の真ん中に立ち止まった ぐいっと大きく。 曖昧な空を見上げて 重たく湿っているはずの空が―― さわやかな甘い空気が―― 漂ってくる気がする。 薄甘い花の香り…… 私は目をつぶる。 私の知らないどこか、 不思議な風。 薄荷のようなさわやかな香りが 私はぎゅっと目をつぶる。 時折思い出したように ひんやりと私の肌を濡らす。 ああ―― 春が来る。 何かが―― 私の中で動き出す オマエへと向かう―― |