むぅ――。

今朝も何やら厚めの雲で――
どこぞで不意打ちの雨が
降りそうな雲行きじゃったが――

結局、晴れたの。

まったく――
降るなら降る、
晴れるなら晴れるで――

はっきりしてくれれば
よいものを。

まだ梅雨にはずいぶん
早いというのに困ったものじゃ――

これでは毎朝毎朝――
今日は自転車に乗れるや否やと、
思い悩んでしまうではないか！

昨日も、朝から
灰色に曇った空の上で、
うつらうつらと――
居眠りをしておった雨神さま。

夕刻になってやって来た
雷さまに起こされて――
あわてて起き出すと――

焦って慌てて大急ぎで、
１日分の雨を落とされた。

まったくなんとも――
手抜きの仕事じゃのぅ。

見ていて呆れてしまうぞよ。

フフン――♪

もしや、雨神さまはついこの間――
わらわがついに自転車に
乗れるようになったのを――

やいておるのではあるまいな？

――クスクス♥

兄じゃは知っておるか？

自転車というものは
なかなか楽しいもので――
アレに乗ると素晴らしい
スピードで風を切って
あたりを走り回ることができるのじゃ！

それはそれは気持ちが良くて――
まるで我が身が風神になったかのように
思えるものぞ♥

じゃから――もしや雨神は、
この新たなちっちゃい風神の登場に
密かに邪魔をしておるのやもしれぬな。

ふむぅ～、悔しや！

ならば、不意の雨にも濡れずに
自転車に乗れる方法はなきものか――

やはり兄じゃに――後ろから傘を持って
ついてきてもらうしかないであろうか？

さあ、兄じゃの返答やいかに――

フフフフフフフ――♥