彼岸も過ぎて――

いよいよ秋めいて
参ったの。

この時期は――
一雨ごとに、というが。

照ったり降ったり。

めまぐるしく変わる
天の祭神と――

そのたび事に
温まったり冷え込んだり――
を繰り返しながら――

この豊葦原瑞穂の国にも
冬の雪神様の到来が――
刻一刻と近づいて
おるのじゃな。

夏はその熱気と闇に紛れ
雲霞のごとくわき出す
怪しきモノノケたち――

こうして茶色い落ち葉の
舞い始めた庭先を
見るにつけても――

冬にはみるみる
その勢いを失って――

精気を失って消え去って
行くようにみえる。

そしてそのあとの空隙を
埋めてゆく――白い気配。
そう、冬は威き者どもの季節。

力のある嵐の神や
雪女、凍てつく獣が――

もうすぐ――
北風に乗ってやって来る。

きっと――
そんな季節に供えて。

クマたちが凍てつく冬を
迎える前に――

その身いっぱいに
ドングリを目一杯に
つめ込むように――

立夏姉じゃも。

きっと――

先週は思わずクッキーを
独り占めしてぜーんぶ
食べてしまったのであろう――

冬眠しようと思って。

――クスクスクスクス♥

なにしろ――

森の獣のように
本能に忠実な――

真紅のオーラを持つ
姉じゃじゃからのう――♥

じゃから――
わらわはちーとも
怒ってはおらぬぞよ？

春風姉じゃは――
ちと怒りすぎなのじゃ♥

静電気が溜まっておるのかの？

わらわは――こうして♥
久しぶりに兄じゃの輝く
真白きオーラに触れられれば

十分じゃ！

おや？
兄じゃも――
最近は冬眠に供えて
食べ過ぎかの？

ちとこの頬のあたりが
豊かになったような――♥

気持ちよいぞよ♥♥♥