少しずつ――

空気の乾燥が進んできて。

毎朝、家の玄関を出ると、
ぐっと首を伸ばして――

まだ薄暗い空を見上げてつく
小さな私の湿った吐息も。

サァ――っと。

たちまち冷たく乾いた
朝の大気に吸い込まれて――

消えていくように
なってきたわ。

冬と北風の進軍が――
どんどん近づいて
きているのね。

小雨ちゃんたちの通う小学校でも、
そろそろ風邪が――
流行ってきているみたい。

ノロウィルスっぽいおなかの風邪や、
マイコプラズマの話も聞くし――

やっぱり季節の変わり目は
油断大敵！

どう――？

私のかわいい弟くんは――

のどが少し痛くなって
きたりとか――
してないかしら？

大丈夫？？

まあ、幸い、
うちには――

「大変！　お兄ちゃんがお病気だ！！」

なんていうことになったら――

たちまちナイチンゲールに変身して、
大騒ぎで看病してくれる、
カワイイ女の子たちが――
１ダースくらいはいるから♥

安心かもしれないけど♥♥

あっ、でもそれはそれで大変よね――

蛍ちゃんや春風ちゃんはいいとしても――

青空ちゃんや虹ちゃんの看病は、
相手しているうちによけいに
熱が出ちゃう可能性があるし――

観月ちゃんやマリーくらいでも――
きっとまだ微妙よ。
ナメクジを使った不可解な民間療法とか、
かなーりアヤしい王妃のおまじないとか――

あ、でも夕凪ちゃんに任せたらもっと
エライことになっちゃうだろうし――

うふふっ♥

こうして考えると、
風邪をひくのも――
楽じゃないわね？
「お兄ちゃん」！

だから――
もし風邪っぽくなったら――

誰にも言わないで１番に――
お姉ちゃんに言いに来なさいね？

みんなにあれこれ煩わされる前に――
頼れるお姉ちゃんが――しっかり♥

キミの風邪の看病をしてあげるから♪

大丈夫、風邪のウィルスは
熱に弱いんだから、しっかり
体を温めて寝て治すのが１番！

もしキミが風邪ひいたら――
その夜は、海晴お姉ちゃんが
ぴったり――湯たんぽ代わりに
キミのベッドの中でくっついて、

キミの体を熱～くして――
ウィルス退治をしてあげるから♥♥♥

乞うご期待ね！