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名前: hubuki
2011年12月 7日 (水)
ホットタイム

冬の午後。

明るいリビングで
姉妹たちと一緒に
おやつのロールケーキを食べ――

口の周りについた
外国人のひげのような
ココアのかすを拭いて――

小さな妹たちが、
霙姉の再三の要望によって
ついに納戸から出てきた――

こたつの中や周囲に
群がって遊んでいるのを
眺めながら――

ホッと――
息をつくと。

珍しく――
何をする当てもなく
ソファに座った私の
心の中に――

小さな泡のように
浮かんでくるのは――

最近の私の1番
気になる暮らしのトピックス。

それはもちろん――

先日も新しい反論が
発表されるなどして――

非常に盛り上がっている
様子の――

光速を超える
粒子の存在。

セルン実験についての
議論です♥

キミは――
気になりませんか?

E=mc2

かの人類史上最大とも
いえる偉大な公式の――

これからの運命が。

地に落ちる赤い
リンゴとともに
世界の在り様を
一新させた――
ニュートン。

そして――その
ニュートンを超えて
新しい宇宙の姿を
描き出した――
アインシュタイン。

そして今――

謎に包まれた
アインシュタインの
あまりにも有名な
あの公式が大いなる
挑戦を受けつつある――

感動ですね!

歴史は繰り返し、
人類の持てる科学は
加速度をつけて
進歩してゆく。

この実験の行方が
単なる計測ミスに
終わるとしても――

私はアインシュタインという巨壁に
正面からアタックしたことの
価値は大いにあると思います。

すべての科学は――
疑問から始まるのですから。

そう、かつて私が――

この我が家の隙間なく連続した
19人姉妹という存在が――

本当に存在可能な家族であるのかを
疑問に感じた時のように――

……

フフッ♥

その疑問は――

きっと今も、まるでセルンの
加速器の中をめぐる粒子のごとく――

ぐるぐると私の頭の中を
巡っていますが。

でも――

こうしておやつを食べた後
キミに語りかけるひと時が
あまりに楽しいので――

そんな疑問は、まあ――

いいか。

と――思ってしまう私は
科学者としては失格でしょうか?

フフ。

困りましたね♥