今、ちょうど――

オマエが初めて――

我が家にやってきた
日のことを――

思い出していたんだ。

……

フフ。

不思議だな。

こうして顔を
見れば――

あの頃と少しも
変わらないように
みえる――

オマエの顔。

少し――のんきで、

少し――疲れてて、

少し――鈍そうで。

でも、なんか少し――

優しそうだナって。

あの時、
そう思った。

最初はなかなか
笑顔が見れなくて――

少し――

心配して――

妹たちをけしかけて
一生懸命、オマエを――

笑わせようと思った。

青空とあさひの
踊るのを見て――

マリーと観月の
くすぐりに笑い出した

笑顔を見て――
やっと安心した。

そんなオマエとの
出会いから――

もうずいぶん経ったんだな。

気がついてみれば――

こうしてオマエは――
もうすっかり家族の一員に
なってる。

笑顔も振る舞いもすっかり
なじんだこの家族の一部に――

……

春は出会いと別れの季節って
よく言うけど――

本当に。

春にはいろんなことがあって。

なぜだか不意に――

胸が痛くなる。

……

私、病気かな？

こんなに――
体力には自信があるのに。

こんなに――
胸が痛いなんて。

まるで突然、
重い病気になった
みたいな気がする――

オマエを見ていると――

胸が痛くて――
苦しくて。

どうにか――
してほしくなるんだ――